コミュニティをつなげる
1927年創立のValdosta Amateur Radio Club(VARC)は熱心なアマチュア無線家が集まる非営利団体で、ジョージア州バルドスタを拠点としています。このクラブは緊急事態への備え、情報伝達、公共サービスの手段としてアマチュア無線の使用を推進しており、60名を超えるメンバーをサポートし、イベントや免許取得のための教室、無線技士の試験を通じて地域社会にも関わっています。同クラブは、異常気象など緊急事態発生時に南ジョージアと北フロリダで重要情報の伝達を行っています。
運営担当バイスプレジデントのBobby Lacey氏と技術運用担当バイスプレジデントのMichael Hancock氏は、他のメンバーと協力して、VARCの通信インフラストラクチャの安定稼働と信頼性維持に努めています。同クラブは地域、広域、ジョージア州全域、全世界の規模で通信できるようにリピーター局をいくつか維持しており、各局がネットワーク内の他局と接続して長距離無線通信を可能にしてい ます。
同クラブは広域マイクロ波IPネットワークの運用も担っています。このネットワークは、広域病院、緊急事態管理センター、地域・広域空港などさまざまな戦略拠点とリピーター局の間の高速データ通信を提供します。さらに、同クラブはネットワークに問題が生じた際のトラブルシューティングや必要なアップグレードの実装も行っています。
嵐への備え
VARCの重点活動項目の1つは広範な気象カメラネットワークで、Valdostaの活動エリア全体に戦略的に設置されたカメラを通して、地域の気象状況をリアルタイムの映像や画像で伝えます。状況の監視と異常気象事象の追跡を可能にするこのネットワークが、竜巻やハリケーンのシーズンにアマチュア無線緊急サービス(ARES)チームの貴重なリソースとなるのは言うまでもありません。
エンドユーザーは、同クラブのWebサイトやモバイルアプリを通じてライブ動画フィードや画像にアクセスできます。データにアクセスしやすいことが、すばやい対応に役立ちます。Lacey氏曰く、「VARCの気象カメラネットワークは、アマチュア無線技士が緊急時に重要な公共サービスを提供する能力を技術で高めた好例です。」
サイバー攻撃への耐性
異常気象時のリアルタイム情報提供ではWebサイトが重要な役割を果たすため、VARCはサイトの最新性と安全性の維持を優先事項の1つにしています。残念ながら、VARCのサイトはこれまで国内外の主体から執拗な攻撃を受けています。DDoS攻撃のいくつかは、サイトがオフラインになるほど深刻なものでした。
過去に起きたそれらの攻撃によって会員はかなりの不便を強いられ、イライラを募らせました。Webサイトは重要情報の伝達や更新に欠かせないからです。「アマチュア無線技士は自分たちのWebサイトが高価値標的だとは考えないかもしれませんが、攻撃に対して適切なセキュリティ対策を講じなければサイトは脆弱なままです」とLacey氏は言います。
サイトのセキュリティとパフォーマンスを強化
そこでVARCは、攻撃の影響を軽減する戦略の一環として2022年1月にプロジェクトGalileoに参加し、Cloudflareが提供するさまざまなツールを使い始めました。インシデントを避けるため、ネットワークの常時監視も行ってきました。「Cloudflareのサービスを使うようになってから、VARCのWebサイトの信頼性と安全性が大幅に改善されています」と、Lacey氏は述べています。
プロジェクトGalileoに参加後、VARCでは以下もデプロイしました:
「VARCのサイトだけでなく、どんなWebサイトにとっても、Cloudflareの保護はセキュリティ、パフォーマンス、規制コンプライアンスの確保に必須です」とLacey氏。
Zero Trustの導入を開始する
VARCはプロジェクトGalileoが提供するZero Trustツールをいち早く採用し、ARESチームやコミュニティが利用するVARC広域環境カメラネットワークを保護する目的もあってネットワークセキュリティをアップグレードしました。このアップグレードは、VARCの既存のMicrosoft Azure Active Directory認証プラットフォームと統合する形だったため、エンドユーザーにとってシームレスなものとなりました。
VARCチームはZero Trustスイートを使って、無許可アクセスの試みをブロックしつつ、許可されたユーザーにはカメラネットワークへの安全なアクセスを提供できます。「おかげでカメラネットワークのデータの機密性、完全性、可用性を維持することができ、緊急時に当クラブのARESチーム、報道機関、一般大衆が重要なリアルタイムの映像や画像にアクセスできるようになりました」と、Lacey氏は述べています。
VARCが使っているCloudflareツールの総合効果として、月平均3000件の悪意ある攻撃を軽減、Webサイトの信頼性を300%アップといった成果が早くも出ています。Lacey氏は、他の企業・団体のネットワーク保護方法を知るなどして、Zero Trustの可能性と自分たちのクラブにとってのメリットをさらに詳細に検討したいとしています。
同氏は、「全般的に、Cloudflare Zero Trustは当ク ラブの広域環境カメラネットワークの安全性と信頼性を高める上で貴重なアセットになりました」と締めくくっています。
利用開始