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SORACOMがレスポンシブIoTダッシュボード体験をお届け、Cloudflareを採用し開発の効率性が向上

ソラコムは、誰もがモノのインターネット(IoT)のアイデアを実現できるようにする「IoTの民主化」を目指しています。マルチキャリア対応のモバイル接続を提供する同社は、企業が世界中で大量のIoTデバイスやマシンツーマシン(M2M)センサーを接続し、管理できるようにしています。現在、ソラコムは全世界で700万以上のデバイスをつないでいます。 (2024年11月時点)

ソラコムは日本を本拠とし、アメリカ、イギリスにも拠点を展開して、グローバルで150名の従業員を擁しています。サービス開発を担うエンジニアリングチームはワンチームを構成し、複数のタイムゾーンにわたってシームレスに連携しています。一丸となってSORACOMプラットフォームを継続的に強化し、クラウド環境へのプライベート接続、データのインライン処理、セキュアなデバイスプロビジョニング、デバイスへのリモートアクセスなど、さまざまなサービスをサポートしています。

安定したIoTダッシュボードサービスの提供における課題

ソラコムは、カスタマイズ可能なダッシュボードサービスSORACOM Lagoonによって、IoTデバイスから集められたデータをユーザーが簡単に可視化できるようにします。SORACOM Lagoonにはアラート機能もあり、データトラフィックが一定の閾値を超えた場合はユーザーに通知します。トラフィックスパイクは珍しいことではありません。IoTシステムやIoTビジネスは、商用利用開始後にクライアント数が爆発的に増えることがあります。

同社は、自社のクラウドベースのインフラストラクチャが、アラートをトリガーするデータトラフィック急増に確実に対処できるようにしなければなりませんでした。「SORACOM Lagoonはマルチテナントアーキテクチャを採用しているため、特定アカウントからのアクセス急増がサービス全体に影響を及ぼさないようにする必要がありました。特に、通常はキャッシュされないPOSTリクエストへの応答を分散してキャッシュする方法を見つけなければなりませんでした。」(ソラコム社プリンシパルソフトウェアエンジニア、Christian Inkster氏)

また、信頼性の高いダッシュボード使用感の維持を目指していたソラコムには、ソフトウェア開発の合理化によって新しい機能やサービスの提供を加速したいという意図もありました。ソラコムは、開発環境内で開発者にサブドメインへのアクセスを提供しています。以前は、開発者のサブドメイン割り当て待ちがよくありました。「開発環境の細かい制御に時間がかかり、複数テストの同時並行作業のため、多くの待ち時間が発生していました。リソースへのセキュアなアクセスをより効率的に提供する方法が必要だったのです。」(Inkster氏)

Cloudflareで信頼性と応答性の高いダッシュボードの使用感を実現

ソラコムは、リクエスト急増時でも信頼性の高いダッシュボードを提供できるように、POSTリクエストへの応答をキャッシュできるサーバーレスのエッジコンピューティングサービスを探しました。「当社の技術的ニーズを満たした唯一のプラットフォームがCloudflare Workersでした。Workersを使うことでオリジンサーバーの負荷が軽くなり、ダッシュボードに表示する大量のデータをリアルタイムで処理できるようになりました。」(Inkster氏)

このキャッシング方法により、ソラコムはダッシュボードサービスに必要な安定性を提供することができました。「Cloudflare WorkerのPOSTキャッシュを実装する前は、同時リクエストによって開発サーバーがすぐ過負荷になる可能性が高く、この機能は実用に耐えないと考えていました。現在は、アプリケーションのこの部分については心配無用です。」(Inkster氏)

安定性の維持には、動的ルーティングが重要な役割を果たします。「異なるインスタンスへの動的ルーティングにより、サービスを2つの部分に簡単に分割することができました。1つはウェブ関連の処理を行い、もう1つはスケジュールされたタスクを処理します。動的ルーティングを実装する前は、数日おきにインスタンスが無応答状態になっていました。実装後は非常に安定しています。」

Cloudflareのプラットフォームは、処理の速度と規模を劇的に高める効果もありました。「以前は完了までに10秒以上かかっていた複雑なPOSTリクエストが、Cloudflareを導入した今はミリ秒単位で返ってくるようになりました。リクエストがどれだけ多くても、オリジンサーバーへのアクセスは1分に1回で済みます。これにより、高いコスト効率とスケーラビリティを実現しています。」(Inkster氏)

アプリケーションをサイバー攻撃から保護

ソラコムのチームは、Cloudflareの主要なセキュリティ機能を利用してアプリケーションをさまざまな脅威から保護しています。「CloudflareはWAFとDDoS攻撃対策を自動的に提供するため、セキュリティと柔軟性の両立が可能です。おかげで、安定性に優れた高速のダッシュボードをSORACOMユーザーに提供できます。」(ソラコム社CTO、松井基勝氏)

開発効率とセキュリティを向上

以前は、開発者チーム全体で1つのステージング環境を共有しており、そのためにワークフローが遅くなっていました。「誰かがテストを実施していると、他の開発者はその環境が使えるようになるまで1日待たなければなりませんでした。」(松井氏)

Cloudflare導入後は、開発者が同時並行で作業できるようになり、ソラコムチームのワークフローが高速化しています。「Cloudflareなら、Cloudflare Registrarを通じてサブドメインを簡単に発行でき、開発者に即時アクセスを与えられます。おかげで、開発者の待ち時間が大幅に減り、開発効率が大いに向上しました。開発スピードは少なくとも2~3倍になっています。」(松井氏)

Cloudflare Workersは、ソラコムの開発とステージングをセキュアに保つ上でも役立っています。「Workersで独自認証機構を組み込むことができたため、クッキーをベースとした開発環境へのアクセスを簡単に実現できます。こうして、パブリックURLを開発環境としてアクセス可能にするプロセスを簡素化しつつ、同時に高いセキュリティを実現できています。」(松井氏)

Cloudflare利用に関する今後の展望

Cloudflare Workersプラットフォームとセキュリティサービスで好結果が出ていることから、ソラコムチームはCloudflareの他の機能についても利用を検討し始めました。例えば、高パフォーマンスのステートフルアプリケーションの構築を可能にするCloudflare Durable Objectsなどです。

そうした検討が続く間も、ソラコムはCloudflareの機能を活用し、新サービスを次々に市場へ送り出しています。その好例がSORACOM Fluxのリリースです。「SORACOM FluxはローコードIoTアプリケーションビルダーです。Cloudflareを使えば、IoTデバイスが生み出す大量のデータの一次処理をエッジコンピューティングで行うことができます。それにより得られるコスト効率と高速性は、お客様にとっても有益なソリューションとなるはずです。」(松井氏)

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    主な成果
    • IoTダッシュボードサービスの提供に必要な高い安定性と信頼性を確保

    • ダッシュボードの応答性を10秒から数ミリ秒へ大幅改善

    • 開発スピードを上げ、2~3倍速いタスク完了を実現

    • 開発環境にきめ細かなアクセスポリシーを実装

    当社の技術的ニーズを満たした唯一のプラットフォームがCloudflare Workersでした。Workersを使うことでオリジンサーバーの負荷が軽くなり、ダッシュボードに表示する大量のデータをリアルタイムで処理できるようになりました。

    Christian Inkster氏
    プリンシパルソフトウェアエンジニア

    CloudflareはWAFとDDoS攻撃対策を自動的に提供するため、セキュリティと柔軟性の両立が可能です。おかげで、安定性に優れた高速のダッシュボードをSORACOMユーザーに提供できます。

    松井基勝氏
    CTO of Japan