Muzeon Associationは、ルーマニアのクルジュナポカ市のユダヤ人コミュニティに関するストーリーを語り継ぎ、保存することに専念しています。2020年以来、Muzeonは同じ名称の博物館を運営する他、地域のユダヤ人の歴史と文化に焦点を当てたインタラクティブな教育活動も企画しています。
「ここは昔からユダヤ人が多い地域でしたが、ホロコースト後、ほとんどのユダヤ人がアメリカやイスラエルへ移住しました」と、Muzeonの共同創立者で理事長、技術ディレクターを務めるDan Craioveanu氏は述べています。「残った人は高齢で、彼らのストーリーが失われ始めていました。私と私のパートナーは、この地の歴史と価値観のすべてを保存し、推進していく必要があると決意しました。」
プロジェクトは、まずCraioveanu氏や他のユダヤ人の家庭で先祖から受け継がれた形見や手紙、その他の品を整理して研究することから始まりました。Craioveanu氏と仲間たちは手紙を翻訳し、他の品々を研究するうちに、地元のユダヤ人コミュニティのメンバーの歴史をたどることができると気づきました。現在、この博物館の展示品は、コミュニティメンバー3人の生涯を中心に構成されています。
「私たちは、単なる展示物とは違うこれらのストーリーを何とかして伝えなければならないと感じました。ですから、ストーリーを語る博物館と称しているのです。」(Craioveanu氏)
2022年1月、Webサイトへの分散サービス妨害(DDoS)攻撃が急増し、Muzeonのオリジンサーバーにアクセスしてそこからメールを送信しようとする総当たり攻撃も急増しました。クラウドベースのホスティングサービスに移行して、そのコンテンツ管理システム(CMS)に組み込まれたセキュリティツールを適用しましたが、攻撃は続きました。
「サーバーが過負荷状態となり、サイトの読み込みに30秒もかかり、チケットも他のものも一切購入できない状態でした。ユダヤ系団体だから特に標的にされたとは言い切れませんが、ガードを強化しなければと考えました。」(Craioveanu氏)
プロジェクトGalileoに申し込んで受け入れられたMuzeonは、DDoS軽減、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)、マネージドDNS、画像リサイズなど、いくつかのCloudflareアプリケーションサービスと、Cloudflare for WordPressプラグインを有効化しました。Craioveanu氏は、オンボーディングプロセスが簡便で、CloudflareダッシュボードでのDNSレコード設定とセキュリティサービス有効化が簡単にできたのが有難かったと述べています。そして、セキュリティサービスを有効化してからは、攻撃の多くが無くなったと言います。
「Cloudflareに守られていると知れば、攻撃者は攻撃を仕掛けようともしないと思いますよ。」(Craioveanu氏)
それでもMuzeonを標的にする攻撃者に関しては、同財団が新たに導入したセキュリティサービスが役立っています。
「分析結果を見ると、ボットや他の脅威もいくつかありますが、軽減されていることがわかります。分析結果は時々確認しますが、つくづくCloudflareがあって良かったと思います。もっと大事な他の仕事に時間を掛けることができるのですから。」(Craioveanu氏)
Muzeon Associationには、集中すべき重要業務がたくさんあります。地域のユダヤ人の生涯を、新型コロナ感染症の流行で訪問できない来館者や国外の人にもシェアするため、Webサイトのコンテンツを増やしています。さらに、博物館外でのインタラクティブな展示にも取り組んでいます。
「訪問者が手掛かりを基に市内を探索し、ユダヤ人にまつわる歴史的ランドマークを見つけるトレジャーハントツアーを企画しています。また、ユーモアのある脱出ゲームも制作 中です。ユダヤ人の家族とのディナーから脱出するために、ユダヤ人文化のさまざまな側面をヒントに謎解きをするゲームです。目的は、そういった文化を楽しく学んでもらうことです。」(Craioveanu氏)